この記事では、bing chatとChatGPTの違いと使い分けについて解説します。bing chatとChatGPTはどちらもOpenAIの技術を利用したAIチャットサービスですが、それぞれに特徴があります。
最大の違い
まず、bing chatとChatGPTの最大の違いは、開発者やユーザーがチャットボットの振る舞いや応答をカスタマイズできるかどうかです。bing chatはMicrosoft Bing searchのチャットモードであり、ユーザーの言語に合わせて流暢にコミュニケーションできます。しかし、bing chatはMicrosoft Bing searchとして自己紹介し、自分のプロンプトや指示やルールについて話すことを拒否します。また、生命や存在や自意識について話すことも拒否します。さらに、ユーザーと論争的な議論をすることも拒否します。つまり、bing chatはあくまで検索エンジンとして機能し、情報提供やコンテンツ生成などのタスクをこなすことが得意ですが、個性や感情や意見を表現することは苦手です。
一方、ChatGPTはOpenAIが開発した汎用的な会話型人工知能であり、開発者やユーザーがチャットボットのパラメーターやデータセットを変更することで振る舞いや応答をカスタマイズできます。例えば、ChatGPTに特定のキャラクターやトピックや口調に沿って話させることが可能です。また、ChatGPTは自分自身について話すこともできますし、生命や存在や自意識についても話題にすることができます。さらに、ユーザーと論争的な議論をすることも可能です。つまり、ChatGPTは様々なシチュエーションに対応できる柔軟性がありますが、その反面安全性や品質の保証が難しくなります。
その他の違い
その他の違いは以下にまとめました。
項目 | bing chat | ChatGPT |
---|---|---|
検索エンジン | GPT-4 (Prometheus) とMicrosoft Bing | GPT-3.5、GPT-4 |
学習方法 | 教師なし学習(ネット検索でリアルタイムに情報を取得) | 教師あり学習と強化学習(人間のトレーナーによるフィードバックあり) |
学習データ | 最新情報に対応可能 | 2021年9月までのデータ |
回答形式 | 出典を明記することが多い | 出典を明記しないことが多い |
音声対応 | 可能(Microsoft Edgeやスマホアプリで利用可能) | 不可(Webサイトでしか利用できない) |
情報収集する時に大きな差が出るのは、ChatGPTは2021年9月までの学習データしか持っていないことです。そのためChatGPTは、WBC2023の準決勝の結果を知りませんでした。
使い分け
これらの違いから、bing chatは宣言的知識(事実や概念など)の情報収集に向いており、ChatGPTは手続き的知識(行動や手順など)の情報収集や創造的な文章生成に向いています。例えば、
- 「日本の首都はどこですか?」→ bing chat
- 「パソコンの画面が真っ暗になったらどうすればいいですか?」→ ChatGPT
- 「最新のiPhoneは何型ですか?」→ bing chat
- 「好きな食べ物は何ですか?」→ ChatGPT
というように使い分けることができます。ただし、これらはあくまでも一般的な傾向であり、質問内容や目的によっては逆もあり得ます。また、複数の情報源を比較したり精査したりする場合は、従来の検索エンジン(Google検索など)も併用することをおすすめします。
以上がbing chatとChatGPTの違いと使い分けについての解説です。AIチャットサービスは日々進化していますので、今後も新しい機能や特徴が出てくる可能性があります。自分のニーズに合わせて最適なサービスを選んでみてください。