Dockerを利用してMySQLコンテナを立ち上げる際、デフォルトのsql_mode設定では問題が発生することがあります。この記事では、DockerでMySQLコンテナを起動する際に、sql_modeをカスタマイズする方法を詳しく解説します。環境変数の設定やカスタム設定ファイルを利用した変更方法を学べば、柔軟なMySQL環境を構築できるでしょう。DockerでMySQLのsql_modeを理想の設定に変更して、データベース操作の自由度を高めましょう!
MySQL 5.6 と 5.7 のsql_modeのデフォルト値の違い
MySQL 5.6 と 5.7 でデフォルトのsql_modeの設定が変わりました。以下の表で変更点をまとめています。
sql_modeの設定 | MySQL 5.6 のデフォルト設定 | MySQL 5.7 のデフォルト設定 |
---|---|---|
ONLY_FULL_GROUP_BY | No | Yes |
STRICT_TRANS_TABLES | No | Yes |
NO_ZERO_IN_DATE | No | Yes |
NO_ZERO_DATE | No | Yes |
ERROR_FOR_DIVISION_BY_ZERO | No | Yes |
NO_AUTO_CREATE_USER | No | Yes |
NO_ENGINE_SUBSTITUTION | Yes | Yes |
MySQL 5.7 では、より厳密なデータベース操作がデフォルトで強制されるようになりました。この変更により、データの整合性が向上し、データベースの誤操作を防ぐことができます。ただし、アプリケーションの互換性に問題が発生することがあるため、アップグレード時には注意が必要です。
以下ではsql_mode=0
にする方法を説明します。
Dockerでの設定
Dockerを使用してMySQL 5.7を立てる場合、カスタム設定ファイルを作成し、sql_mode
を 0
に設定することができます。以下の手順に従ってください。
- まず、カスタム設定ファイル
my.cnf
を作成します。このファイルに、以下の内容を記述します。
[mysqld]
sql_mode=0
- 次に、DockerでMySQL 5.7コンテナを立ち上げる際に、
-v
オプションを使用して、カスタム設定ファイルmy.cnf
をコンテナ内の/etc/mysql/conf.d/
ディレクトリにマウントします。
docker run -d \
-p 3306:3306 \
-e MYSQL_ROOT_PASSWORD=my-secret-pw \
-v /path/to/your/my.cnf:/etc/mysql/conf.d/my.cnf \
--name mysql57 \
mysql:5.7
ここで、/path/to/your/my.cnf
は、作成したカスタム設定ファイル my.cnf
の絶対パスを指定してください。
これにより、Dockerで立ち上げたMySQL 5.7コンテナでは、sql_mode
が 0
に設定された状態で実行されます。
Docker composeでの設定
Docker Composeを使用してMySQL 5.7コンテナを立ち上げる場合、カスタム設定ファイルをマウントしてsql_mode
を0
に設定することができます。以下の手順に従ってください。
- まず、カスタム設定ファイル
my.cnf
を作成します。このファイルに、以下の内容を記述します。
[mysqld]
sql_mode=0
- 次に、
docker-compose.yml
ファイルを作成し、以下の内容を記述します。
version: '3.7'
services:
mysql57:
image: mysql:5.7
container_name: mysql57
environment:
MYSQL_ROOT_PASSWORD: my-secret-pw
ports:
- "3306:3306"
volumes:
- /path/to/your/my.cnf:/etc/mysql/conf.d/my.cnf
ここで、/path/to/your/my.cnf
は、作成したカスタム設定ファイル my.cnf
の絶対パスを指定してください。
docker-compose.yml
ファイルがあるディレクトリで、以下のコマンドを実行して、MySQL 5.7コンテナを立ち上げます。
docker-compose up -d
これにより、Docker Composeで立ち上げたMySQL 5.7コンテナでは、sql_mode
が 0
に設定された状態で実行されます。