LDAPとADの違い: ビギナーズガイド

LDAPとADの違い- ビギナーズガイド Active Directory

こんにちは!本日は情報システムと組織管理の重要な領域である、LDAPとADについて詳しく説明します。これら二つの用語を一度に理解することは初心者にとって少々難しく感じるかもしれませんが、この記事を読み終える頃にはその違いがはっきりと理解できるようになっていることでしょう。

まずは、これらの基本的な概念から見ていきましょう。

LDAPとは何か?

LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)は、情報を整理し、提供するためのプロトコル(通信規約)です。名前のディレクトリー(Directory)は、電話帳のようなものと考えてください。電話帳では名前から電話番号を検索しますが、LDAPでは名前から電話番号、住所、Eメールアドレスなど様々な情報を検索します。

ADとは何か?

AD(Active Directory)は、Microsoftが提供するディレクトリーサービスです。Windows環境でよく使われており、ユーザー情報、コンピューター、グループなどの情報を一元管理し、ネットワーク上のリソースへのアクセスを制御します。

では、LDAPとADの主な違いは何でしょうか。以下に表形式で説明します。

LDAPとADの比較

LDAPAD
機能データ検索と提供データの一元管理とアクセス制御
提供元オープンソース(多数のベンダー)Microsoft
通信プロトコル通信規約そのものLDAPを基に独自の拡張を施したもの
対応OS複数のOS主にWindows
アクセス制御基本的なアクセス制御詳細なアクセス制御(パスワードポリシー、ログイン時間制限など)

要約すると、LDAPはデータを検索し、提供するための「プロトコル」であり、ADはそのLDAPを基にMicrosoftが作った、より詳細な制御が可能な「ディレクトリーサービス」です。

そのため、あなたがどちらを選択すべきかは、具体的な要件や目的によります。Windows環境で詳細なアクセス制御や一元管理が必要な場合はADを、異なるOS間での一貫した情報アクセスが必要な場合はLDAPを選択すると良いでしょう。

LDAPとLDAPサーバの違い

LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)は、その名の通りプロトコル、つまり通信規則です。そのため、LDAP自体が直接データ(ユーザー情報や組織情報など)を持つわけではありません。

LDAPは、ネットワーク上のクライアント(ユーザーやアプリケーション)が、LDAPサーバー(データを保持しているシステム)から情報を効率的に検索し、取得するための方法を定めています。データ自体はLDAPサーバーに保存されており、その具体的な形式や内容はサーバーの種類や設定によります。

Active Directory(AD)は、Microsoftが開発したディレクトリーサービスで、Windows環境でのユーザー情報や組織情報を一元管理するためのシステムです。ADはその内部でLDAPを利用しており、LDAPプロトコルに従った形式で情報を提供します。したがって、ADはLDAPクライアントがアクセスできる「LDAPサーバー」の一例と言えます。

したがって、LDAPとADの関係を端的に表現すると、「LDAPは情報を検索・取得するための方法(プロトコル)で、ADはその方法を使ってユーザー情報や組織情報を提供するシステム(サービス)」となります。

LDAPとADを同時に使用する場合

LDAPとADはしばしば同時に使用されます。これは、特に大きな組織や複数のシステムが混在する環境で一般的です。

ADはMicrosoftが開発したディレクトリーサービスで、主にWindows環境でのユーザー認証やリソース管理に使用されます。しかし、LDAPとADが一緒に使われる場合があります。

一般的な使用例としては、LDAPを介してADにアクセスするというものがあります。ADは基本的にLDAPを拡張したもので、LDAPクライアントを使用してADサーバに接続し、情報を取得したり操作したりすることができます。この使い方は、Windows以外のシステム(例えばLinuxやMac)からADの情報にアクセスするときに特に便利です。

具体的な手順は以下の通りです(具体的な設定値はシステムや環境により異なります):

  1. LDAPクライアント(ソフトウェアやライブラリ)を選択します。これはシステムの種類やプログラミング言語によります。
  2. LDAPクライアントの設定で、ADサーバのアドレスやポート、認証情報(ユーザー名とパスワード)を指定します。
  3. LDAPクライアントを使用してADサーバに接続し、必要な操作(情報の検索、読み取り、書き込みなど)を行います。

ADとLDAPの組み合わせは、異なるシステム間での一貫したユーザー管理や認証を実現するための強力なツールです。ただし、ADの詳細な制御機能をフルに活用するためには、AD専用のツールやAPIを使用することも考えられます。

なお、LDAPとADの設定や操作は複雑な場合が多いため、具体的な手順や設定値はシステム管理者やIT部門の担当者に確認してください。また、敏感な情報(特にパスワード)は安全に保管し、適切なセキュリティ対策を行ってください。

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